過失割合とは
1 交通事故における過失割合とは
交通事故に遭った後、保険会社から過失割合について、「3:7と考えますが、どうですか」と言われることがあります。
そもそも、この過失割合とは何のことでしょうか。
交通事故の過失割合とは、発生した交通事故に対する責任の割合のことをいます。赤信号で停車していたなどの場合は別として、多くの場合で、どちらか一方のみが責任を負うということにはなりません。
2 誰が過失割合を決めるのか
交通事故発生後、警察に連絡をし、警察官に事故態様などを報告します。
その際、警察官から、「あなたは悪くない」などと言われることもあるそうです。
ですが、警察官が過失割合を決めるわけではありませんので、警察官に「悪くない」と言われたからといって、過失が自分にないことにはなりません。
では、だれが過失割合を決めるのでしょうか。
原則として、当事者双方ないし当事者双方の保険会社が決めることになります。
当事者双方では決まらない場合、訴訟提起して裁判所(裁判官)が決めることになります。
3 いつ決めるのか
示談するとき、または、示談が成立しないときは裁判手続きのときに決めることになります。
4 どうやって決めるのか
過失割合を決める際、過去の裁判例を参考としています。
この過去の裁判例をまとめた冊子として、「別冊判例タイムズ」があります。
そして、この「別冊判例タイムズ」は、裁判所、保険会社、交通事故を扱う弁護士、いずれも保有し、過失割合を考える際の参考にしています。
まず、基本過失割合を割り出し、一時標識の有無や方向指示器の有無等の修正要素を考慮して、最終的に過失割合を決めることになります。
5 なぜ過失割合を決めなければならないのか
交通事故の相手方に損害賠償を求める場合、その相手方の責任割合に応じた分を請求することになります。
逆に言えば、被害者にも過失がある場合、その過失割合分は、相手方に請求する分を差し引くこととなります。
このように、損害賠償額を確定するためにも、過失割合を決めることは必要なのです。
6 過失割合を間違えないように
上記のとおり、過失割合は、損害賠償額を決めるための重要な要素でもあります。
そのため、過失割合を間違えてしまうと、本来、賠償されるべき金額が賠償されないことに繋がりかねません。
そこで、弁護士等の専門家に相談されることをお勧めします。