代車を利用した場合の代車費用
1 事故によって車両が損傷した場合
事故によって車両が損傷した場合、修理工場に修理を依頼される方が多いと思います。
このような場合には、被害者は加害者に対して損害賠償を請求することができます。
車両に関する損害賠償の項目としては、修理代、代車費用、評価損(格落ち)などがあります。
加害者が任意保険(対物賠償保険)に加入している場合には、加害者の加入している保険会社が、修理工場と修理代について協定し、修理代が支払われることで解決する事案が多いです。
このようなケースを、いわゆる「分損」といいます。
これに対して、車両の修理代の金額が車両の時価額を上回る場合を「全損」といいます。
この場合、修理代満額は賠償されないことが一般的です。
全損の場合には、車両の時価額、買い換え諸費用、代車費用などが賠償項目となります。
2 代車を利用した場合の代車費用
代車を利用した場合に代車費用が発生しますが、必要かつ相当な代車費用のみ加害者に賠償請求できます。
⑴ 代車の必要性
事故車両の使用が日常生活に不可欠で、現実に代車費用を支出したことが必要となります。
通院、通勤、日常の買物、外出等のための使用や車両所有者の同居の娘がアルバイトや通学を行うための使用について代車の必要性を認めた裁判例があります。
⑵ 代車を認める期間
前述した分損の場合、代車が認められる期間は、通常、1~2週間程度の場合が多いです。
これに対して、全損である場合には、1か月程度認められる事案が多いです。
⑶ 代車費用の金額
被害車両が、通常の国産車である場合には、1日あたり5000円~2万円程度の代車費用が認められる事案が多いです。
これに対して、被害車両が、国産高級車である場合、1日あたり1万5000円~3万円程度の代車費用が認められる事案が多いです。
⑷ 仮定的代車料について
交通事故が発生し、現実に修理する必要がある場合であっても、修理を行っていないなどの理由で代車費用が発生していないときは代車(仮定的代車料)を請求することは原則としてできません。
3 交通事故に関するお悩みは当法人へ
代車費用といっても、どの程度の金額で、いつまでの期間が認められるかは、それぞれの事案によって異なります。
当法人では、交通事故を得意とする弁護士が相談を担当します。
代車費用等の物的損害に関してお悩みの方も、弁護士法人心 松阪法律事務所にご相談ください。
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